それにしても、各メーカーの釣り道具の氾濫には、目をみはる思いだ。
物がなかった子供時代は、釣り竿は裏の竹やぶから矢竹を切って、つなぎ合わせを作った。でかい魚を掛けると、折れたりすぐに曲がって使えなくなる粗末な竹竿だった。
釣り糸は木綿糸で、母の裁縫箱からこっそり盗んだ。浮子は桐の枝を削り、赤色のクレヨンを塗ってこしらえた。ほとんどが有り合わせか手作りで、なんとか間に合ったものだった。それでも、ハヤ、オイカワ、ニゴイ、たまにコイも釣り上げることができた。
穂先が曲がりっぱなしの不細工な竹竿が、たまに思い出されて懐かしくなる。
納得できるロッドは自分で作るのが一番なのだろうが、そうたやすいことではない。
できることなら、ロッドを作ってみたいと思うこともあった。そうこうしているうちに、60歳の定年を迎えてしまった。 |