山学校。そのまま読むと、やまがっこうとなるが、どの辞書にも山学校の語句は見当たらない。ぼくの子供時代に、ひんぱんに使われていた山学校の言葉は、今めったにきくことはない。それでも、たまに村里のじいさん。ばあさんから、ひょいと山学校が飛び出すことがある。山学校は岩手県の山村でしか、使われなかった方言であったようだ。「勉強もしねぇで、山学校ばかりして、お前らには困ったガキだ」
親にとっては、子供が遊び呆ける山学校は頭の痛いことであったらしいが、ぼくらにとってはめくるめく魅惑の世界であった。
ぼくらの少年時代、学校は二つあった。一つは国語や算数などを学ぶ、教室のある学校。もう一つは、先生もいない自由気ままな野あそびの山学校。どっちがいいといわれると、山学校が素晴らしいのに決まっていた。考えてみると、ぼくにとって少年時代の山学校が、大人になっても今だに続いているわけだ。
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